高知工科大学大学院 起業家コース 起業ネットワーク

高知工科大学大学院 起業家コースのOB、在学生を中心とした組織です。

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「卒業したくなかった?院生時代」

   

隅田和稔

私は大学院に54歳で入学し59歳で博士号を取得させていただきました。

入学のきっかけは当時起業家コースの学科長をされていた平野先生と中小企業家同友会のパーティで同席をさせていただき、「遊びにおいで」と気さくにお声掛けをいただいたことでした。
実は私の会社が当時工科大の学部別のパンフレットをいくつか手がけさせていただいており、新たな発注先かも?と思い数日後に実績の資料を携え勇んで出かけました。

残念ながら予算などが折り合わず、パンフレットは受注できませんでしたが、持参した資料の中で私がある県外の食品卸会社の商品開発コンサルタントを手掛けた折のレポートに着目され、「これは面白いからこの内容に沿ってウチで講義してよ」と言われたのです。
その仕事は私とって初めてのコンサル案件でした。先方には私が実績はないことを承知で任せていただいたのですが、にわか勉強をしながら月に一度、先方の役員たちと勉強会から始め一生懸命取り組みました。そして一年が過ぎた頃にお互いが絞り出した答えは‘計画の放棄‘でした。
勉強すればするほど、計画を練りこんで具体的にしようとすればするほど、地方の中小企業が実績も経験もないままに新しい製品を創造することの難しさに気づかされたのです。

しかしながら意外なことに二年目の契約もいただき、視点を変えて既存の製品を組み合わせた新しい「商品」を創り、かなりのヒットもしたため胸をなでおろしたのですが、平野先生はその迷走具合を面白がられたようでした。

実は私は学校が嫌いで、今なら登校拒否児というレッテルを張られてもおかしくないほどの落ちこぼれでした。

もちろん大学にも行っていませんでしたので講義の話は即座にお断りをしました。
「金もうけのために俄か勉強をしてそのあたりのマーケティングの書籍を張り合わせたようなものですので人に教えるなんて無理です。この年になってきちんと勉強しなかったことを後悔しています」と言ったところ、平野先生からか帰ってきた言葉は「じゃあウチに来たら」でした。
びっくりしましたが、結果的に入学を認めていただき本当に楽しい学生生活を送らせていただきました。

私は決して酒に強くはないのですが、飲み会自体は嫌いではありません。
そのせいか、在学中は主査としてお世話になった冨澤先生をはじめ末包先生などたくさんの先生方と杯を交わす機会に恵まれ、こんなに楽しいのなら卒業せずにずっと学生でいたいと思っていたほどです。
残念なことに五年目の春には冨澤先生が退かれるということで、先生から「私と一緒に卒業しましょう」言っていただき、あれほど楽しかった学生生活から足を洗ってしまうことになりました。

論文をテーマに酒を酌み交わし、いろいろなご指摘をいただきながら年齢が近いこともあり時々はおこがましくもディベイトに近いようなやりとりもさせていただきました。
人生も終盤に近付いたこの時期にこのような時間を過ごさせていただいた高知工科大とお世話になった先生方に本当に感謝しています。

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