平成30年7月 豪雨災害ボランティア活動に参加して
2018/10/03
東森 歩
2018年、日本にとっては異常気象と大規模災害発生の年として記録と記憶される年になっています。今年発生した主な災害を列記してみました。
4月9日 | 島根県西部地震発生(震度5強) |
6月18日 | 大阪北部地震発生、小学校のブロック塀倒壊で子どもが被害に遭う(震度6強) |
6月下旬から7月上旬 | 西日本各地での大雨が降り人命含め大きな被害が発生 |
7月29日頃 | 台風12号が三重県から福岡県まで日本列島を東から西へ逆走 |
7月から8月 | 日中の気温が30度台後半から40度台にまで上がる高気温が続く |
9月6日 | 北海道胆振地震で土砂崩れによる人命被害や北海道全土での大規模停電が発生 |
こう見ると、直近半年間で大きな災害が続いていることが分かります。
4月より以前、思い返せばその前の冬季も近年にない厳冬となっていたこともまだ記憶に残っています。太平洋沿岸部でも気温の著しい低下、北日本では豪雪となり、私たちが暮らす高知県内でも氷点下を記録する日が続きました。いわゆる「厳冬」だったのが昨年から今年にかけての冬場でした。
地震、台風、豪雨、高気温と低気温、そこに近年発生頻度が増加している火山の噴火なども加えましたら過去数十年間無かった天変地異が続く日本列島となっています。
そんな中、昨年の九州北部豪雨災害の災害ボランティア活動参加に続き、7月の豪雨災害の被害発生地である愛媛県宇和島市にて災害ボランティア活動に従事しました。愛媛県と隣接する高知県民として役に立ちたいと思ったこと、そしてやがて発生するであろう高知県内での大規模災害に備えて被害の実態を目の当たりにすることと復旧活動の現場でその状況を五感で感じておきたい、と考えたことが参加の動機でした。2回に分けて計2日間、現地で土砂の除去作業や家財道具の運び出しに従事しました。
今、思うことは自然災害を未然に防ぐことには無理も限界もありますが、発生してしまった災害の被害に対しては復旧活動の現場にひとりでも多くの県民市民の方に興味関心を持ってもらい、できれば現地での活動に参加して欲しいと願っています。災害ボランティアセンターの運営の様子や活動現場で使用する道具類からも感じ学ぶことがたくさんあります。使いにくい道具もあれば、意外なものがとても役に立ったり。また、被害に遭っているにも関わらず私たちボランティアに飲み物やアイスクリームを用意して気遣いをして下さる住民の方々、「どうしてそんなことができるんだろうか、、自分もその立場になったときに同じことをするんだろうか。」と考えさせられます。
被災した時に想う人の心の機微について感じるのは、災害ボランティア活動に参加するからこその感覚です。
幸いにも私は本業の傍ら、市民のボランティア活動の場を提供するNPO団体に所属していますので、その活動の場を企画し実践することができます。今回、一般市民が参加できる災害ボランティア活動の参加者を募集したところ、高校生や大学生の中で複数人数が自発的に参加の意思を表明してくれました。これは高知県で発生する災害に備える意味でもとても意義あることだと企画主催者全員が感じたことでした。災害ボランティア活動を「特定の人の活動にしない」、「多くの県民市民が幅広く参加できるようにする」ことが、私たちNPOも県民市民の皆さんにも等しく課せられた社会的課題であると考えています。
次の災害はいつ、どこで、どんな規模で発生をし、どんな被害が起きるのか分かりません。
予期せぬタイミングで想像以上のことが起きても、資機材などの備品的な備えと災害に備えての訓練やボランティア活動での経験をもって人の心の備えとする、その両面から準備と行動を起こしていきたいところです。
昨年は10月下旬の台風による強風で大きな被害が発生しています。
我が家も屋根のスレートが50枚以上飛びまして、初めて自然災害保険の適用を受けました。
誰にでも起きる災害、2018年もまだまだ気を抜くことができません。
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